当院では去勢手術・避妊手術ともに
7か月齢を過ぎた、ワクチン接種の終了しているワンちゃん・ネコさんに行っています。
去勢手術:男の子の精巣を摘出する手術で、当院では全身麻酔下で行っています。
避妊手術:女の子の卵巣・子宮を摘出する手術で、当院では
全身麻酔下で卵巣・子宮全摘出を行ってい ます。
※去勢手術・避妊手術ともに以下のような利点・欠点があります※
[利 点]
- 望まない妊娠の予防
特にネコさんは交尾排卵のため、交尾を行うと妊娠する確率が高いといわれています。
- 病気の予防
● 男の子
● 精巣腫瘍:特に腹腔内陰睾で腫瘍化率が高くなる傾向にあります。
● 前立腺肥大:排便困難、排尿障害、前立腺炎等を引き起こすことがあります。
● 肛門周囲腺腫:男性ホルモンの関与が疑われている肛門周囲にできる腫瘍です。
● 会陰ヘルニア:会陰部(お尻の周り)の筋肉が薄くなり、腹腔内臓器(腸管や膀胱など)がお尻
の皮膚の下に押し出される病気です。
● 女の子
● 卵巣・子宮の腫瘍
● 乳腺腫瘍:女性ホルモンの関与が疑われており、2回目の発情までに避妊手術を行うと発生率が減少す
るといわれています。
● 子宮蓄膿症などの子宮疾患:
未避妊・未経産の中高齢の子に発症することの多い病気で、発見が遅れると死亡することも
あります。
- 問題行動の抑制
発情時の出血(犬)・鳴き声(猫)
マーキング行動
マウンティング行動
攻撃性 など
※問題行動には様々な原因があり、去勢手術は治療の選択肢の1つであり、すべての症例が解決するわけではあり
ません。
[欠 点]
- 肥満傾向
ホルモンバランスの変化により、食事量が30%上昇し、消費カロリーが22%減少するといわれています。
- 尿失禁
まれに高齢になってから、ホルモン反応性尿失禁をおこすことがあります。
(お薬で対処可能なことが多いです。)
性ホルモンの関与が疑われているような病気になった場合、治療として去勢・避妊手術を行う場合があります。
高齢や病気の時の手術・全身麻酔のリスクを考えると、元気な若い時に手術を受けられることをお勧めします。