フィラリア症はフィラリア(犬糸状虫)が感染することによっておこる病気です。
感染動物は・・・犬、猫
寄生部位が循環器(心臓、血管)であるため、駆除して簡単に体外に出す方法がありません。
(消化管内寄生虫なら糞便とともに排出も可能なのですが・・・(^_^;))
虫の寿命も長く、虫が死んだ後も虫体が血管内に残るため、心血管系の負荷は継続的となり様々な心不全様の症状を呈してきます。
感染したら厄介だからこそ、きちんとした予防が必要となります (^_^)/
- フィラリアとは?
フィラリア(犬糸状虫)は蚊の媒介により犬の心臓や肺の血管に寄生し、血液中の栄養分を吸って生きているソーメン状の寄生虫です(♀:25〜30cm、♂:10〜20cm)。
寿命は5〜6年(長くて8年)(-"-)
- フィラリアの感染経路と生活環
- 蚊がフィラリア症感染動物を吸血し、蚊の体内へミクロフィラリア(フィラリアの赤ちゃん)が移行する。
- 蚊の体内でミクロフィラリアが成長し、動物への感染力を持つ。
- フィラリアを宿した蚊が動物を吸血することで、動物の体内へ幼虫が移行する。
- フィラリアが動物の体内で2〜3cmに成長する(皮膚組織中)。
- 血管に入り、肺動脈や心臓で寄生する(成虫になって6〜7か月でミクロフィラリアを産出可能)。
- 症状
慢性症状:肺動脈に寄生することにより起こる肺高血圧症、二次的な右心不全、肺動脈の動脈硬化など。
咳、運動不耐性(すぐ疲れるようになる)、削痩、貧血、腹水など
急性症状:肺動脈又は右心房に寄生している虫体が、右心房・右心室をまたいで寄生するため、三尖弁閉鎖不全
が突然起こることにより発症する。
血色素尿(赤色尿)、急激な元気消失、突然死など
- 治療
慢性症状:右心不全の管理など対処療法。
急性症状:手術。
- 予防
お薬を月に1回の投与することにより皮膚・筋肉組織内に寄生しているうちに駆除します。
フィラリア症のお薬は1か月間、ずっと効果が持続しているものではありません!!
ですから、蚊を見なくなってから1か月後(12月ごろ)の最後の投与がとっても重要です( ..)φ
猫のフィラリア症(犬糸状虫症)
フィラリアは犬だけでなく、猫にも感染します(抗体陽性率は全国平均12%とのデータもあります)。
症状は・・・、目立った症状が出ないこともありますが、呼吸困難、咳、嘔吐、食欲不振などがみられ、突然死を招くこともあります。
犬同様、月1回の投与で予防できます。